2005年春から始まった発掘調査の概報をお伝えします。


by matsumotoken

学生諸君、冬の死海で泳ぐ

今日は学生にとっても研修旅行の最終日、今日は死海とその周辺の遺跡の見学である。
早朝から海水パンツは穿いて良いやらと楽しそう。宿舎から海水パンツと半袖シャツにサングラスといった出で立ちでいざ出発。帰りはそのままウムカイスへ直行するとのこと。どんなハプニングに出くわしたか、後は本人に聞いてください。明日はまた荷物をもってウムカクィスからアンマンの空港に直行するとのこと。飯山君、庄司君気をつけて帰ってください。4月から社会人になって、この経験が生かされることでしょう。
さて我々松本、西浦、イラク人研修生組は今日は西北アンマンに約40分位車で行ったところにあるSaltの町に行った。ここで案内役のいアリーさんも始めてのようだったが、何とか博物館を訪問。そこは何と古い建物で博物館らしい、また町の中心地にあり、更に内部は新しくオランダの協力でしゃれた展示がなされている。そしてその案内をしてくれたのが、また最初のヨルダン研修生の一人背の高いAbdul Saamia Abu Deiyaであった。彼が更に今度また博物館になるという建物、また町の計画、日本が支援したと言うスークの道路や町並みを案内してくれた。この町は黄色い色の石積みの建物が多く、独特の雰囲気を持っている。なかなか気に入った。できるものならこの地区の古い建物を借りたいくらいである。ただ少々車が多すぎる難点がある。ここはオスマントルコ時代の行政区の中心だったとのこと、こうした雰囲気をイラクの研修生がどのように感じ取ったかである。イラク独特の文化を大切に保存、保護して行くことが必要だとおそらく聞くまでもなく感じ取ったであろう。またもう一つの丘の上に保存されている城壁を見学した。これも日本が協力しているもので立派な屋根がかかっていた。この後、本来予定ではなかったが、時間がありそうだったので北アンマンにあると紹介されているYajuzにいく。最初はJICAの運転手はYajuz育ちなのにそんな遺跡があるなんて聞いたこともないという、とにかく行って探すことにした。すると直ちに斜面に発掘しているような痕跡があり、それがYajuzであった。それはビザンチン時代の都市で広大なものであった。教会などの遺構もすでに発掘されていたが、誰も警備している様子がない、それどころか周りに続々と家が建てられ、目の前でブルトーザが唸りをあげて削っている。柵もない。これにはアリーさんもがっくり、帰ってレポートをDOAにしなければと言っていた、が-- -。
イラク人の研修生がこれは我々で発掘しようと言っていた。私も遺跡が可愛そうと言ってしまった。その遺跡で軽くハンバーガーを食べて、次のIraq-el Emirに行った。運転手はJICAofficeから15分だといっていた。昨日衛星画像で調べたところ確かに西にあり近いところである。実際はワディの深い渓谷が続いている。(Wadi Es-Seer).丁度この時間は子供たちが帰宅時間であり、多くの子供たちで通りはいっぱいであった。中には遠くから通っている子供たちもいるよだ。渓谷の崖には墓のような洞窟が幾つか見られた、そしてQasr al Abdについた。ここは巨大な石を積み上げた宮殿址である。ヘレニズム時代の遺跡でユダヤの祭司集団トビア家の建設と言われている。これがまた後に再利用されたとのこと。確かにヘレニズム時代の強大な石を積み上げる建築方法の特徴が見られる、またライオンなどの深い彫像も生き生きとして表現されいるすばらしい建造物である。しかし近年フランス隊によって修復された際、コンクリートで修復されているのは少々気にかかる。イラク人研修生も一言いっているようだ。
そうしてまた再び渓谷を登って帰った。丁度国士舘ハウスに3時前に着いた。その後私は病院に来るまで乗せてもらって行った。3時半の約束であった。検診の結果はドクターも経過がいいので喜んでくれた。2週間後の最終チェックをしてもらうことになった。

サルトの町の心地よい町並み
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8ヶ月前に出来たサルト考古博物館
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砂糖製造工程を示す模型、サルト考古博物館
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子供のためのやさしい歴史教育、サルト考古博物館
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日本の支援で整備されたサルトのスーク
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ゲームに興じるサルトの人々、特に年輩の方々
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Yajizの遺跡に立つ西浦さん(ビザンチン時代)
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Qasr Iraq Amir(巨大な石積みの神殿)(ヘレニズム時代)
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Qasr Iraq Amir(守護神のライオン)
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それにしても藤井純夫さんあなたが書いた「沙漠の王国ヨルダン展」NHK 2004はとても便利で重宝しています。ヨルダンに旅行する人必携です。
by matsumotoken | 2007-03-01 00:23