2005年春から始まった発掘調査の概報をお伝えします。


by matsumotoken

Tell Maquq試掘開始

分布調査を始めた。国境に行った。今回はウムカイスの考古局の責任者が一緒なので、国境の軍管理の拠点に入ることができた。やはり古い時代に重要な拠点は今も重要であるところだ、遺跡である。少なくとも、古くはビザンツ時代であろうといわれているヨルダン川を渡る橋も残っている。ここは古代から交易の拠点でもあった。一つはBauraである。
そして今はTellMaquaqを試掘している。地主との交渉が難しい。共同経営の土地で長老の許可がでないと試掘もできない。何とか妥協できたのがワディに近い斜面のところ、ここは崩れて流れてきた堆積があるだけで青銅器、銅石器時代の層に達するには難しいし、相当深く掘らねば当たらない感じだ。遺跡は上の開けたところにあるのだが。そこは地主が許可してくれない。確かにこの地域は面白い場所だ。特に新石器時代は農耕が始まったところでもあるし、土器が作られ始めたがこの地域かもしれないという問題もあって興味深い。しかしヨルダンの先史時代の研究はあまり関心がなく、進んでいないのが現状だ。そういう面でもウムカイス地域の歴史を探るのにも重要ななのだが、果たしてトレンチの試掘の結果はーーーーー?
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これが最前線のイスラエルとの国境であり、ヨルダン川とヤルムーク川との合流地点でもある。
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これがヨルダン川、先に見えるのがイスラエル側である。
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これはヤルムーク川に架かるヒジャーズ鉄道の鉄橋であったが、イスラエルと戦争で攻撃されて橋が落ちている。先、左に見えるのがゴラン高原で今はイスラエル領になっている。手前、右側はヨルダン側である。
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これが遺跡Tell Maquqから見たゴラン高原とヤルムーク川地帯
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これが試掘中のTell Maquqの斜面。果たして先史時代の文化層に達するか?
by matsumotoken | 2011-12-09 19:56