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by matsumotoken
| 2019-04-27 04:07
ウムカイスは文化遺産にしても、自然遺産から観ても人類にとっての普遍的価値があるのではないか?夏の暑い時期、冬の寒さの中を人々が古来から生き抜いてきた、特に新石器、ヘレニズム、ローマ、ビザンツ、ウマイヤには地域と密着した独特の文化を形成してきた、そして歴史の背景には今も維持されている自然環境のなかに人々ともに動植物たちが生息している。このように現在も不安定で戦火交える地域が多い中東で、また急激な経済発展のなかで、自然と文化が融合した地域は中東では少なくなっている。皆さんはどう思われますか?そこでもう少し春をお楽しみください。 ウムカイスで資料、施設、器材を管理してくれている3人です。ご存知, Jafar,jonma,Bilarです。Jafarは今時の実測の特訓中です。ジョンマは土器を3Dに写真測量しています 。破片だと今では簡単に出来るのですが、完形の土器は簡単にいきません、それは底の部分も必要なのでひっくり返して写真を撮って合体させる必要があるからです。時間も掛かります。ビラルはナイロン袋に入った土器片を出して全てに番号を書いて更に分類して写真を撮る作業で、床に広げて接合できる物は接合しながら進めています。一番面白い作業です。今はH17のグリッドからでたきたものを整理しています。このH17には地下に広い水槽のような部屋があり、その中には沢山の土器が投げ入れられ、そして入り口も埋められていました。従って当時の状態がそのまま密封されていることから、新しいものがの混じっていないことから極めて重要な考古資料といえます。ローマ時代などの遺跡は石材が何度も再利用されたり、埋められたり、掘り起こされたりして層位学的に実証して行く事が難しいケースが多いのです。またすばらしい建築物が多いことから調査研究もつい建築物のほうに目が行き土器片の研究が疎かにされることもしばしば観られます。やはり建築物とともに考古遺物と併せての研究が必要でしょう。因みにこのウムカイスで発掘しているヤルムーク大学が発掘している区域で水道施設或は貯水槽が発見され、学長も視察に来られました、考古局の長官代理も多くの部下とともに視察に来られました、その中で調査団長が説明をしているときに見せていた土器が我々の発掘したものと全く同じでした。これらをどう解釈するのか、興味あるところです。
この西円形劇場の状況を見ようと3人とともに来たのですが、今は発掘はしていないようです。ただ壁の上のほうは少し積み上げたようです。しかし壁がスムースに積み上げられてはいません。これではでこぼこになっていて危険です。やはり調査研究は重要ですが、実際に修復していくとなると、理論だけでもうまくいきません。現場での経験が必要です。我々も十分な時間をとって、まず詳細な調査をする必要があると感じています。
なんだかこうしてもう10年以上繰り返しながらこの欄にもいろんなことを紹介してきたな~~。その割には余り勉強していないかな?同じことの繰り返しだな~。私も少しはウムカイシイ(ウムカイスの人)になってきたかな~~?
ところでシリアとの国境も開いているそうで(もちろんシリアへ行くことはまだまだ出来ませんが)、ウムカイスも一応安全といえるようになってようです。皆さんが来るのをヨルダンの人々は待っています。
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by matsumotoken
| 2019-04-20 02:39
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by matsumotoken
| 2019-04-12 01:39